フランチャイズは儲かるのか?なぜ本部がやらない?
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フランチャイズとは?
**フランチャイズ(Franchise)**とは、本部(フランチャイザー)が持つブランドやノウハウ、商品・サービスの提供方法を、加盟店(フランチャイジー)が利用して事業を運営するビジネスモデルのことです。
要するに、成功しているビジネスを「借りて」、自分のお店として経営する仕組みです。
フランチャイズの基本的な仕組み
フランチャイズでは、以下のような契約が結ばれます。
- 加盟者は本部に「加盟金」「ロイヤリティ」などを支払う
- 本部はブランドの使用権、マニュアル、仕入れルート、研修などを提供
- 加盟者は本部の指導のもと、店舗を運営
本部と加盟店は独立した経営体ですが、ブランド・ノウハウを共有することで再現性の高い事業運営が可能になります。
なぜ本部がやらない?
「儲かるなら本部が全部出店すればいいじゃないか」
フランチャイズビジネスを見たとき、多くの人が抱く直感的な疑問です。
実際、「加盟者を集めるだけで本部が儲かる仕組みは、詐欺のようなものでは?」と感じる人も少なくありません。
確かにフランチャイズは基本的にフランチャイザーに利益をもたらすようになっていますが、正しく対策すればフランチャイジーにも利益をもたらすことができます。
この記事では、フランチャイズがうまくいく時と、搾取構造に陥るリスクの違いを、論理的にわかりやすく解説します。
フランチャイズが「うまくいく時」の条件
フランチャイジーが儲けるには、フランチャイザー(本部)とフランチャイジー(加盟店)でリスクとリターンをどう分担するかがカギです。
◎ フランチャイジーのリスクとリターン
- 自分のお金で店を出す代わりに、ブランド力と成功ノウハウを得られる
- 立ち上げの初期段階から安定した集客が見込める
- 赤字の可能性がある
◎ フランチャイザーにはあまりリスクがない
- 全て直営で出店すると、資金・人材・リスクが大きすぎる
- 加盟店に任せることで、地方やニッチなエリアにも効率よく展開できる
このように、リスクを分散できるのでフランチャイザーにはあまりリスクがありません。
両者の思惑が一致し、合理的に役割とリスクを分担しているとき、フランチャイズはWin-Winの関係になります。
フランチャイズが「搾取構造」になってしまう場合
しかし残念ながら、すべてのフランチャイズが健全とは限りません。
以下のような特徴がある場合、フランチャイジーにリスクを押し付け、フランチャイザーだけが儲かる構造になっていることがあります。
❌ リスクだけ押し付ける本部の特徴
- 出店場所や需要を検証せず、加盟を急がせる
- 初期費用が高すぎるが、売上予測は曖昧
- 開業後のサポートや教育体制が乏しい
- 加盟金ビジネス化していて、加盟者の成功を重要視していない
こうした本部に加盟すると、オーナーは売上があってもロイヤリティで赤字、労働時間だけが膨らむという最悪のシナリオに陥りがちです。
加盟を検討する前にチェックすべきこと
- ロイヤリティや初期費用は、収益と釣り合っているか?
- 本部は成功事例だけでなく、失敗例も公開しているか?
- 直営とFCの比率はどうか?自分で出してない理由があるか?
- 本部の支援体制・人材育成の質は高いか?
- その業態は、自分自身が情熱を持てるものか?
結論:リスクとリターンのバランスが取れているかがすべて
フランチャイズが成立するのは、**「フランチャイジーにとってリスクリターンがよい」と思えるビジネスであり、かつ「フランチャイザーにとっても加盟展開の方が効率がいい」**という、両者の合理性が重なったときです。
このバランスが崩れると、搾取型の構造になり、フランチャイジーは「働いても働いても儲からない」状態に陥ります。